Evolving Our Human Society with Smartphone!
Evolving Our Human Society with Smartphone
進化するスマホ社会
|
2019年04月の深セン(深圳)の視察旅行の記事第2弾です。
今回は特に、深センにおけるキャッシュレス社会、もう少し言うと、高度に、そして合理的に進化(深化?)し続けているスマホ社会について、見聞をまとめてみました。
インドネシアのキャッシュレス決済(QRコード決済)
事前に様々な情報を調べたところ、深センはキャッシュレス決済、特にQRコード決済が普及しているという情報をよく目にしました。
私は現在インドネシアの首都ジャカルタに住んでおります。ここインドネシアの主要都市でも、GO PAYやOVOといった、現地のキャッシュレス決済(QRコード決済)が広く普及しています。詳細は省きますが、もし私が、
「財布とスマホ、どっちを忘れたら困る?」
と問われれば、
間違いなく「スマホ!!」
と即答できる程度に、スマホに依存したキャッシュレス社会を生きております。
スマホを使って、オンラインの配車タクシー(正確にはバイクタクシー)を呼び、
決済は、スマホを使ったオンライン電子決済で済ませ、
食事は食堂やレストランで、スマホのQRコード決済をして多少の割引を受け、
カフェもスマホを使ったQRコード決済で20~30%オフが普通、
スーパーマーケットでの買い物も、スマホのQRコード決済なら割引があることも、、、
もはや、財布の出番がないほどです(笑)
最近は大手BCA銀行で、スマホを使ったカードレスの現金引き出しもできるようになりました。
ただ、インドネシアでは、露天や屋台などのローカルの物売りを相手にすると現金が必要ですし、各種ポイントカードやFlazzカードなどのSUICAのようなプリペイドカードも持ち歩く必要がありますので、財布がないと困る状況が1日1~2度ほどはあります。
そのため、財布を全く持たずに外に出ることには、漠然とした不安が付きまといます。
このような状況の中、深センに視察に行って参りました。
※なお、この度、中国のQRコード決済の代表格WechatPay(ウィーチャットペイ)の利用を試みましたが、現地の銀行口座がないとできないようでした。日本およびインドネシアのクレジットカード・デビットカードでWechatPayのアクティベートを試みましたが、いずれもアクティベートには至りませんでした。またそれでもあきらめず、深センで銀行口座を作るべく、14店舗に訪問して、口座を作ろうとしましたが、いずれの店舗においても、納税番号や長期滞在のVISAの提示を求められ、できませんでした(それなりにいろいろな理由を考えて試してみたのですが・・・残念!)。
街中で見かける深セン(深圳)のキャッシュレス決済
インドネシアと同様、中国でも、QRコードを介したキャッシュレス決済が進んでいました。アント・フィナンシャルサービスグループ(蚂蚁金服)の支付宝(Alipay)やテンセント(腾讯)の微信支付(WechatPay)があちこちに見られました。
写真と共に経験を書いてまいります。
QR code payment at a cafe in Shenzhen 深センのカフェでのQRコード決済 |
深センに到着し、最初に入ったカフェにて。
事前に、深センはQRコード決済が進んでいるので、現金払いすると嫌な顔をされるというような記事を読んだりしましたが、特にそのようなこともなく、普通に受け取ってくれたので安心しました。まずはほっと一息。
しかし、その後のお客さんの支払いを見ていると、現金払いをしている人は皆無でした。
QR code payment at a stand in Shenzhen 深センの売店でのQRコード決済 |
街中にある売店です。
QR code payment at a stand in Shenzhen 深センの売店でのQRコード決済 |
よく見るとQRコードがあります。
ミネラルウォーターを購入しましたが、現金払いを受け付けてくれました。少々もたついていたようでしたが、現金払いができないというわけではなさそうでした。
QR code payment at a shop in Shenzhen 深センのお店でのQRコード決済 |
電気街のお店です。ここにももちろんQRコードがあります。どこのお店でも、どのようなお店でも大概QRコードがあります。
QR code payment at a stand in Shenzhen 深センの売店でのQRコード決済 |
街中のお茶のスタンドです。QRコードはもちろんあります。
QR code payment at a cafe in Shenzhen 深センのカフェでのQRコード決済 |
カフェです。QRコードはどこにでもあります。
私は、現金でラテを頼みました。現金払いは問題ありませんでした。
QR code payment at a local restaurant in Shenzhen 深センの食堂でのQRコード決済 |
ローカル食堂です。QRコードで受け付けています。
Local food in Shenzhen 深センの食堂での食事 |
こちらでは現金払いができませんでした!
ちょうど来た他のお客さんが助けてくれ、私が彼に現金で払い、彼が代わりにWechatPayで支払ってくれるという流れで、何とか購入できました。
お店の人は、「なんでコイツはQRコード決済できないんだよ!」というような雰囲気も、困った顔もせず、それどころか、「現金を受け付けていなくて本当に申し訳ない。」というような顔で対応をしてくれました。
深センの優しさに触れた瞬間です。
ちなみに、このとき、7~8時間街を歩き回った後だったので、私はもう空腹で疲労困憊!今にももう倒れそうでした。こんな私を助けてくれた通りがかりのお客さんと、お店のスタッフに大感謝です!こういうちょっとした優しさは、本当に有り難いものです。自分も愛を振りまいて生きて行こうと改めて思いました!
無人化を促進する深セン(深圳)のキャッシュレス決済
続いて、QRコード決済が導入された結果、機械による自動化、無人化が促進されている例も見受けられたので、こちらも示してみます。
QR code payment at KFC in Shenzhen
深センのKFCでのQRコード決済
|
ケンタッキーでの注文が、タッチパネルとQRコード決済による完全自動化になっていました。2019年03月にシンガポールでも同様のものを見ました。
QR code payment at a karaoke box in Shenzhen
深センの無人カラオケボックスでのQRコード決済
|
ショッピングモールなどに、よくこの最大2人まで入れるカラオケボックスがありました。支払いはQRコード決済によるもので、周囲に人は全くおらず、完全自動化になっていました。こちらも、2019年03月にシンガポールなどでも同様のものを見ました。世界的に流行っているのでしょうか。
QR code payment for rental bicycles in Shenzhen
深センのレンタル自転車でのQRコード決済
|
深センの街中には、自由に乗り捨てできるレンタル自転車がたくさんあります。こちらも決済はQRコードになっていました。QRコードによる決済も含めて、高度にITによる管理を施していくことで、低コストで便利なものが増えていくのを感じました。
QR code payment at METRO station in Shenzhen
深センの地下鉄の改札でのQRコード決済
|
地下鉄の改札での支払いも、QRコードでピッとやっていました。要領の悪い人もたまにいて、自動改札機の前でQRコード決済のために、突然スマホをいじりはじめたりするので、多少詰まっているケースも見受けられました。
Prepaid Card for METRO in Shenzhen
深センの地下鉄のプリペイドカード
|
私は、前述のように、QRコード決済が全くできるようにできなかったので、地下鉄はこのプリペイドカードを使いました。
100元で、カード代が30元のもの(残り70元が乗車運賃)と50元のもの(残り50元が乗車運賃)がありました。デザインによって違うようで、ドラえもんなどの人気キャラクターのものは50元でした。私のこのカードは70元の乗車運賃の方です。
SUICAのように改札でタッチするだけで使えました。反応も非常に良く、全くストレスを感じませんでした。
誰でも登録できる深セン(深圳)のキャッシュレス決済
QRコード決済を利用すると、だれでもQRコードを介した支払いができるようになるだけではなく、だれでもQRコードを介したお金の受け取りもできるようになります。
インドネシアで主要なQRコード決済として使われているGO PAYやOVOでも同様です。
これを利用して、深センでは路上の物売りなどもQRコード決済を利用していました。
QR code payment on the road 路上でのQRコード決済 |
歩道橋の上で食べ物を売っていた物売りですが、支払いはQRコードを介して行われていました。
QR code payment on the road 路上でのQRコード決済 |
こちらも同様です。公園の中で食べ物を売っていた物売りですが、支払いはQRコードを介して行われていました。
Giving money to performers via QR code payment QRコード決済を介して支払う投げ銭 |
ショッピングモールの一角で、路上パフォーマーがライブをしていました。
Giving money to performers via QR code payment QRコード決済を介して支払う投げ銭 |
よく見てみると、パフォーマーへの投げ銭をQRコード決済で受け付けていました。考えればできるのは分かりますが、実際にこういうのを見ると、QRコード決済がかなり深いところまで進んでいるというのが感じられますね。
インドネシアでは、ここまではQRコード決済が進んでいないので、逆にここまで行ったときのインドネシアの未来を想像すると、いろいろなビジネスチャンスがありそうだなとインスピレーションが得られました。
スマホ社会を促進する充電インフラ
私自身の専門分野が、パワーエレクトロニクスという電気を自在に制御する技術ということもあり、個人的に非常に気になっているのが、スマホの充電環境、充電インフラです。
これだけQRコード決済のようなスマホ社会が進化していくと、スマホのバッテリーの状況が日々の活動の要となります。SUICAのように電磁カップリングで簡単に電気が得られれば良いのですが、スマホは消費電力が大きくそう簡単ではありません。
しかし、深センは、こういう面でも抜かりなく、合理的にインフラが構築されていました。
USB outlet plug at a cafe カフェで提供されているUSB充電環境 |
2017年、久しぶりにタイのバンコクに行ったとき、ホテルでもカフェでも、どこでもコンセントの形がユニバーサル仕様になっており、コネクタを介さずにパソコンやスマホのACアダプタを使うことができたことに感動したのを覚えています。
今回深センでは、さらにUSB用のポートも数多くありました。全ての場所にあるというわけではありませんでしたが、行くところ行くところ、かなり高い確率で見かけました。
USBのケーブルは必要ですが、逆に言えば、ケーブルさえ持っていれば重いバッテリーなどを持ち歩かなくてもよいのは大変便利だと感じました。
USB outlet plug at a cafe カフェで提供されているUSB充電環境 |
こちらも同様です。さりげなくUSBポートが提供されています。
こういうちょっとしたことの積み重ねがスマホ社会の促進につながると思います。
Rental mobile battery at a cafe カフェで提供されている貸し出し用モバイルバッテリー |
また、ちょっと見えにくいかもしれませんが、貸し出し用のモバイルバッテリーが街の至るところで提供されていました。
あらかじめデポジットを支払っておけば、1回あたり非常に安い値段でバッテリーをレンタルできるそうです。バッテリーは充電に時間がかかるのが問題ですが、自分の持っている使い切ったバッテリーを戻し、充電が終わったバッテリーを取り出すことで、充電に時間が取られないようになっています。
Rental mobile battery at a cafe カフェで提供されている貸し出し用モバイルバッテリー |
Rental mobile battery at a cafe カフェで提供されている貸し出し用モバイルバッテリー |
街中のカフェですが、こちらにもあります。ないところは見当たらないほど、ほぼどこにでもあります。
Rental mobile battery at a cafe カフェで提供されている貸し出し用モバイルバッテリー |
何となく目に入っただけなのですが、こちらの女性、カフェの利用客ではありませんした。
ふらりとカフェに入ったかと思えば、この自動端末でバッテリーを交換し、すぐに出て行きました。
日本でも、コンビニで同様の仕組みがあったら、とても役に立ちますよね。また、こういうプラットフォームが世界的に国をまたいで展開されると、楽になるのですけどね。
合理性を追求する清々しさ
以上のように、想像以上に合理的によくできたスマホ社会を目の当たりにしてきました。もちろん、QRコード決済が進んでいるのは深センだけではありません。インドネシアの首都ジャカルタでも日常的にQRコード決済を使用しており、深センの現状もある程度は想像できました。
インドネシアの首都ジャカルタでも、QRコード決済はどんどん進んでいっていますが、モバイルバッテリーや多少の現金を持ち歩かなくてはならないなど、微妙ではあるのですが、確実にある煩わしさがまだまだ残っています。
一方で、深センは、QRコード決済のできないところはないというほどに、QRコード決済が深いところにまで入り込んでいました。さらに、前述の通り、充電インフラまで整い始めていることには大変驚きました。ここならスマホだけを持っていけば生活できるかもしれない!つまり、スマホ社会なんだ!と感じ、一歩一歩は小さな道のりなのですが、全体で見ると、インドネシアのかなり先へ行っているように思いました。
SUICAのようなプリペイドカードとは違い、スマホによるQRコード決済は信頼性が高く、セキュリティ面でも安心です。しかし、スマホを使うことが前提となるので、スマホの通信環境や充電環境といったインフラが要となることは自明です。
このような点で、非常に合理的にインフラが構築され始めている深センの状況を見て、純粋に清々しく感じました。非常に速いスピードで、どんどん社会が便利になっているのを感じました。このようなスピード感のある街で何かを開発し、製品やサービスを提供していくというのは非常に刺激的なことなのだろうと強く思いました。
Local apartments in Shenzhen 繁華街の近くのアパート |
ふらりふらりと散策していたら、たどり着いたローカルのアパートです。
Vending machine of condoms コンドームの自動販売機 |
このアパートの一角に、日本でも昔なつかし(?)のコンドームの自動販売機がありました。これが今回私が認識した中で、唯一スマホで決済できない代物でした。こちらもいつかはQRコード決済ができるようになる日が来るのでしょうか(笑)
Visit Shenzhen! 深セン視察(2019年04月)まとめ
https://omg-kmg.blogspot.com/2019/05/visit-shenzhen-201904.html