Friday, May 31, 2019

Global Economy! 平成、東南アジア大躍進の30年間

A Big Leap of Southeast Asia (ASEAN) in Heisei Era!



Global Economiy ~ ASEAN's Economy
平成の30年間で、大躍進を始めた東南アジア

先日は、平成30年の間で、日本の経済がほとんど伸びず、相対的に日本が凋落している様をデータにまとめました。

Global Economy! 平成、日本凋落の30年間
Japan’s Economy Heading for Ruin in Heisei Era... 
https://omg-kmg.blogspot.com/2019/05/global-economy-30.html

今回は、同じ平成30年の間で、私が現在住んでいるインドネシアを始めとした東南アジア諸国連合(ASEAN)の10ヶ国の著しい経済成長についてまとめてみました。

別に私は、仕事でインドネシアに行けと言われてきたわけでもありませんし、当然、経済成長を追って、インドネシアに住み始めたわけではありません。しかし、インドネシアを筆頭とするASEAN諸国は、これからの日本にとって、本当に大切なパートナーであるべきだと思います。特に、中国包囲網という観点では、ASEAN諸国と一体となって発展していくことは、非常に意味のあることなのではないかと改めて痛感しました。


この半年でASEAN主要5ヶ国の景況感を調査


2018年10月~2019年05月にかけて、在住しているインドネシアからASEANの主要4ヶ国を訪問して参りました。

とは言っても、実は、主として、ASEAN各地の友人の結婚式やそのお祝いに伴い、結果的に、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシアに行ってきただけです。そのため、全く意図していなかったのですが、結果として、在住しているインドネシアも含め、ASEANの主要5ヶ国の最近の変化、景況感を肌で感じることができたのは大変大きな収穫でした。

やはりいくらデータやニュースの記事で見ていても、街の雰囲気を五感をフルに利用して感じるのとではわけが違います。


2018年10月、タイで親友の結婚式に出席


タイの首都バンコクで活躍する日本人男性の親友と、素敵なタイ人女性との結婚式でした。アジア各地で活躍する友人たちが集い、近況を共有しながら、非常に楽しい意見交換ができました。


October, 2018, in Bangkok, Thailand
2018年10月、タイのバンコクにて 

October, 2018, in Bangkok, Thailand
2018年10月、タイのバンコクにて 


2019年03月、ベトナムで親友の結婚式に出席


ベトナム中部のダナンで活躍する日本人女性の親友と、同じく海外で活躍されている素敵な日本人男性との結婚式でした。ベトナム中部には思い入れがあり、既に何度か訪問したことがあったので、久しぶりに現地で仕事を創り続ける友人たちと会い、近況を共有しながら、非常に楽しい意見交換ができました。


March, 2019, in Hoi An, Vietnam
2019年03月、ベトナムのホイアンにて 

ベトナムで日本のメディア「ベトナビ(VIET NAVI)」を切り盛りしている熱い友人と久々に会いました!フリーペーパーも作っているようで、一冊もらいました。紙質も良く、中身の説明もきっちりしていて、さすがの出来でした。

ベトナムに行く人はぜひウェブサイトをご覧ください!友人だから宣伝するというわけではなく、本当によくできています。ここまでお店などの情報を自分でしっかりと書いていくのは、好きでないとできないと思います。

ベトナビ(VIET NAVI)
https://vietnam-navi.info/


March, 2019, in Hoi An, Vietnam
2019年03月、ベトナムのホイアンにて

March, 2019, in Da Nang, Vietnam
2019年03月、ベトナムのダナンにて


2019年03月、ベトナム帰りにシンガポールも周遊


現在、インドネシアの首都ジャカルタに住んでおりますが、ベトナム中部へは直行便がありません。そのため、今回はシンガポールを経由して行くことにしました。帰りは一泊し、時間があったので、シンガポールをいろいろと見て回りました。友人で、シンガポールで有名なブロガー集団のニンジャガールズと食事をしたり、とても楽しい時間を過ごしました!


March, 2019, in Singapore
2019年03月、シンガポールにて

March, 2019, in Singapore
2019年03月、シンガポールにて


2019年05月、マレーシアで親友の新婚夫婦にご挨拶


2019年05月はマレーシアのクアラルンプールにも行きました。本当は2019年03月にクアラルンプールで親友のマレーシア人女性の結婚式があり、呼ばれていたのですが、どうしても外せない仕事があって参加できなかったです。それで、ご挨拶に、とクアラルンプールまで行って参りました。


May, 2019, in Kuala Lumpur, Malaysia
2019年05月、マレーシアのクアラルンプールにて

May, 2019, in Kuala Lumpur, Malaysia
2019年05月、マレーシアのクアラルンプールにて


平成30年の間の名目GDPの推移


さて、ここからが本題です。

平成元年(1989年)から平成30年(2018年)までの名目GDPの推移を見てみます。


GDP, Current Prices (during Heisei Era, 1989 - 2018)
名目GDPの推移(平成時代、1989年~2018年)

上記のグラフから分かることが大きくいくつかあります。

  • 世界全体の経済は伸び続けていて、平成30年の間で4.2倍以上になっている
  • 特に、2000年ごろから世界全体の経済は大幅に伸び続けている
  • G7(Group of Seven、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7つの先進国)も引き続き経済成長を続けていて、平成30年の間で2.8倍以上になっている
  • EUも同様に経済成長を続けていて、平成30年の間で3.1倍以上になっている
  • 日本は1995年ごろから経済が停滞してしまっている
  • ASEANは、平成元年にはほぼゼロにしか見えない状態から急激に成長している(っぽい)


平成30年間、ASEAN、大躍進の始まり


続いて、日本とASEANに注目して、グラフを拡大してみました。


GDP, Current Prices (during Heisei Era, 1989 - 2018)
名目GDPの推移(平成時代、1989年~2018年)

ASEANは2000年を過ぎたあたりから急激に成長していることが見て取れます。平成元年(1989年)には、約3,280億米ドルだったのが、平成30年(2018年)には、約2兆9,260億米ドルと、平成30年の間で10倍近い経済発展を遂げました。まさに、ASEAN、大躍進の始まりですね。

日々、ASEANの中で生活をしているので、日本とは違い、激しい活況を感じますが、データで見るとここまで違っているのかと改めて驚いております。

続いて、ASEAN10ヶ国の内訳を見てみます。


GDP, Current Prices (during Heisei Era, 1989 - 2018)
名目GDPの推移(平成時代、1989年~2018年)

ASEAN、東南アジア諸国連合は、インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピンの5ヶ国から始まり、現在はさらに、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイを入れて10ヶ国から構成されています。

このグラフから以下のことが見て取れます。

  • いずれの国も、1998年のアジア経済危機を乗り越え、爆発的に経済成長を続けている
  • ASEAN内で圧倒的に大きな経済を持つのがインドネシアである
  • 2番目がタイ、そこにシンガポール、マレーシア、フィリピンが続いている
  • そこに急成長を続けるベトナムが追い付こうとしている
  • かつてのビルマ、現在のミャンマーが経済発展を始めている

平成元年(1989年)と平成30年(2018年)のそれぞれの割合を見てみます。


GDP, Current Prices (during Heisei Era, 1989)
名目GDP(平成元年、1989年)

平成が始まったばかりの頃から、やはりインドネシアはASEAN内で最強の経済国でした。続いて、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポールと続きます。ベトナムが占める割合はわずか2%にも満たず、弱小国だったのが伺えます。


GDP, Current Prices (during Heisei Era, 2018)
名目GDP(平成30年、2018年)

平成が終わる頃のデータです。今もインドネシアが圧倒的な強さを示しています。これにタイが続くのは同じです。この後、シンガポールが入ってきました。ASEANの中の唯一の先進国とも言える国が、わずか5百万人ほどの人口で、この位置に入ってきました。以下、マレーシア、フィリピン、ベトナムと続きます。ベトナムもASEAN内で10%近くの名目GDPを占めるようになり、確実に頭角を現してきたのが伺えます。


平成30年の間のASEANにおける人口の推移


新興国の発展を見る上で、忘れてはならないのが人口の推移です。


Population in ASEAN countries (during Heisei Era, 1989 - 2018)
東南アジア諸国連合の人口の推移(平成時代、1989年~2018年)

上のグラフから以下のことが分かります。

  • インドネシアがASEANで最大人口を抱え、もう2億5千万人を超えている
  • 2番目がフィリピンで、1億人を超えている
  • 3番目がベトナムで、まもなく1億人に到達しようとしている 
  • 以下、タイ、ミャンマー、マレーシアと続いている
  • タイは人口増加が止まりかけている

次に、平成30年(2018年)における人口の内訳を見てみます。


Population in ASEAN countries (Heisei Era, 2018)
東南アジア諸国連合の人口(平成30年、2018年)

ASEAN全体の人口の40%をインドネシア人が占めています。第2位~第4位のフィリピン、ベトナム、タイの人口を合計するとインドネシア人と同じぐらいになります。やはり、インドネシアは人が多いですね(笑)

一方でシンガポールは、ASEAN内で唯一の先進国ですが、人口はASEAN全体の1%未満のようです。これだけ少ない人口でこれだけ大きな存在感を出しているのはさすがだと思います。


平成30年の間のASEANの変化まとめ


平成元年(1989年)、平成11年(1999年)、平成21年(2009年)、そして平成30年(2018年)の名目GDPの推移をそれぞれ棒グラフとして表してみました。
GDP, Current Prices (during Heisei Era, 1989 - 2018)
名目GDPの推移(平成時代、1989年~2018年)

いずれの国も、とてつもない経済成長を遂げていることが改めて分かります。上位5ヶ国は10倍近い経済成長を遂げている国ばかりで、シンガポールはそれ以上です。また、発展が始まったばかりのベトナム、ミャンマーを始めとした国々も10倍を大幅に超える凄まじい発展を遂げています。

平成30年の間に、東南アジア諸国連合の国々は、偉大なる躍進をスタートさせたように見えます。現在、インドネシアにいて、いろいろな状況を見ていますが、先日まとめたような、GO-JEKなどのユニコーン企業もASEAN内で勃興し始めていますし、今後の活況に更なる期待をしてしまいます。

Unicorn Companies! ユニコーン企業を支える社会的な若さ
Social Youth Supports Unicorn Companies (Ex: GO-JEK)


令和は、日本とASEANの蜜月期間にしなければいけない


さて、翻って日本です。先日書いた通りですが、成長をし続ける世界にどんどん置いていかれています。

Global Economy! 平成、日本凋落の30年間
Japan’s Economy Heading for Ruin in Heisei Era... 
https://omg-kmg.blogspot.com/2019/05/global-economy-30.html

これを解決する一つの鍵が、ASEANではないでしょうか。


GDP, Current Prices (during Heisei Era, 1989 - 2018)
名目GDPの推移(平成時代、1989年~2018年)

上のグラフに、経済大国トップ3とASEANの名目GDPを示しました。先日も書きました通り、アメリカは絶え間なく経済成長を続け、トップを独走中です。そのアメリカに食いつくように、日本を抜き去ってなお勢いが衰えない中国が続きます。日本はこのアメリカと中国の2ヶ国に完全に置いてけぼりになっている状態です。

しかし、ここに平成30年の間に大躍進を遂げてきたASEANの国々があります。結論から申しますと、日本とASEANがより強固な共同体として、一体となって開発を続けて行けば、一つの大きな経済としてアメリカや中国も無視できない存在になっていけるのではないかと思っております。

この半年の間でインドネシアの以外の4ヶ国も訪問して、改めて思いましたが、ASEANの国々は、どこへ行っても本当に親日です。有り難いことに、日本人に対して敬意を持って接してくれる人が多いですし、どこへ行っても日本のレストランやコンテンツも流行しています。また、いずれの国も漢字圏ではないにも関わらず、日本語学習者もたくさんいます。日本というブランドが通用するのです。

一方で、問題は中国です。ASEANの中でも、マレーシアやベトナム、フィリピン、ブルネイの4ヶ国は、現在、南シナ海に人工島を建設するなどして領有を主張する中国との間の問題が、日増しに大きな問題になり始めています。最近では、一触即発とでも言えるような事態になりつつあります。中国の進出に対して警戒感を強めているようです。

このような状況の中で、日本は胡坐をかいている余裕などありません。この機会に、日本はASEAN各国との絆をもっともっと深めていく必要があります。そして、お互いが補完できるような関係になれば、日本もさらに経済的に成長でき、外交問題も含めて、win-winの関係を築いていけるのではないかと思います。

もちろん、ASEANと言っても、10ヶ国ありますから、一枚岩ではありません国によって宗教や文化、習慣もまるっきり違います。だからこそ、1ヶ国ずつよく見ておくことが大切なのだと思います。これは今回の4ヶ国の連続訪問でも強く感じました。

このような中、私はASEANを構成する一つの国であるインドネシアに既に7年以上暮らしております。そして、ほとんど日本人の社会と接触を持たずに、インドネシアの社会の中にどっぷりと浸かって暮らしています。こうした中で、ますますインドネシアのことを好きになっていく私は、同じように私の存在に興味を持ってくれるインドネシアの皆さんと触れ合いながら、このようなことをいつもモヤモヤと考えております。

令和は、日本とASEANのさらなる蜜月を!」、このように願うばかりです。