Why Should We Visit Shenzhen Now?
Visit Shenzhen! (April, 2019)
深セン視察旅行(2019年04月)
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2019年04月の深セン(深圳)の視察旅行の記事第1弾です。考えてみるとこれが、平成最後の新興国視察旅行でした。
今回は特に、中国の深センに行った動機として、「今なぜ深センなのか?」について整理してみました。
中国の深セン(深圳)に行って参りました!
「は?インドネシアに住んでいるKMGが、何で突然中国に行ったの?」
などと思われるかもしれません。中国の深センと言えば、どのようなイメージが思い浮かぶでしょう。
- アジアを代表する工場地帯
- 香港に一番近い街
- 世界のハイテク企業の下請け企業の集積地
- 模倣品にあふれる街
- ハードウェアのシリコンバレー
- 中国の主要都市の一つ
- 巨大な電気街
- 中国のシリコンバレー
- ドローンの街
恐らく、以上のいずれも正解だと思います。
現在、深センは世界的に見ても、大変熱い都市です。そのため、ニュースを見ていてもよく名前を耳にします。また、現在深センを訪問している日本人も非常に多いようですから、インターネットなどで「深セン(Shenzhen)」と検索をすれば、様々な情報が目に飛び込んできます。
ですから、本ブログをお読みの皆さまも、きっといろいろなことが思い浮かぶのではないのでしょうか。ポジティブなこともあれば、ネガティブなこともあるかもしれません。
ここでは、何故そのような中国の深センに、突然行ってきたのか、まずその動機を書いてみます。
世界第二位の名目GDP、中国の著しい経済成長
まずこちらをご覧ください。
ここ20年間(1999年~2018年)の名目GDPの推移です。世界中の国を示しても仕方がないので、2018年の時点でトップ10だった国を選定し、1999年から20年間の名目GDPの推移を示しました。データは国際通貨基金(IMF、International Monetary Fund)の2019年05月01日時点での最新データから抽出致しました。
GDP, Current Prices (1999 - 2018)
1999年~2018年までの主要10ヶ国の名目GDPの推移
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1999年、私はまだ高校生でした。この時点では、トップ3は以下の通りでした。
- 第一位:アメリカ(約9.6兆米ドル)
- 第二位:日本(約4.6兆米ドル)
- 第三位:ドイツ(約2.2兆米ドル)
日本はアメリカに次ぐ、世界第2位の経済大国!
これは、私が中学校、高校、大学で教育を受けていた頃の常識でした。
それが、現在ではどうでしょう?
2018年までのデータを見ると、特に以下の3つのことが分かります。
- この20年間、日本は経済が完全に停滞している
- アメリカは継続的に経済成長を続けている
- 中国の経済成長が著しく、トップのアメリカを追いかけている唯一の国である
〇2009年:
- 日本(約5.2兆米ドル)
- 中国(約5.1兆米ドル)
〇その翌年(2010年):
- 日本(約5.7兆米ドル)
- 中国(約6.1兆米ドル)
〇2014年:
- 日本(約4.9兆米ドル)
- 中国(約10.5兆米ドル)
〇2018年:
- 日本(約5.0兆米ドル)
- 中国(約13.4兆米ドル)
繰り返しますが、およそ2000年の時点では、日本は世界第2位の経済大国でした。しかし、それ以降、経済の伸びはほとんどなく、中国に大きく先を越されてしまっています。
現在、世界の経済の状況は、
世界ではアメリカと中国がしのぎを削っている!日本はその他大勢の最大勢力・・・
私が、中学校や高校、大学のときにならった常識など、現在は全く通じなくなってしまったのです。
世界的に見ても発展の著しい都市、深セン(深圳)
以上のように著しい発展を遂げている中国ですが、その中でも群を抜いて発展が進んでいる都市が深センです。Wikipediaの日本語版の記事を引用してみます。
深圳市は香港の新界と接し、経済特区に指定されている。北京市、上海市、広州市と共に、中国本土の4大都市と称される「北上広深」の一つであり、「一線都市」に分類されている。中国屈指の世界都市であり、金融センターとしても重要な機能を果たしている。2010年の近郊を含む都市的地域の人口は1,447万人であり、世界第15位である。アメリカのシンクタンクが2017年に発表した総合的な世界都市ランキングにおいて、世界80位の都市と評価された。中国本土では北京市、上海市、広州市に次ぐ4位である。
住民構成の特徴としては移民都市であることがあげられる。元来は宝安県として一集落に過ぎなかったものが、改革開放経済の過程で外部より労働人口が流入して都市が形成され、広東省でありながら広東語が使われる比率が極めて低い地域となっている。また深圳市には政府主導で新興事業発展のためのインフラが整えられていることから、シリコンバレーのハードウェアスタートアップや世界のハイテク製品を生産する工場が数多く存在し、「中国のシリコンバレー」「ハードウェアのシリコンバレー」等とも呼ばれた。
(Wikipedia「深セン市」)
およそ40年前は、人口が3万人程度の漁村だった街が、現在では1,500万人に迫る巨大な都市へと変貌を遂げたとも言われています。
また、現在世界を大騒ぎにしている華為(ファーウェイ)、Wechatで有名な騰訊(テンセント)、電気自動車の世界を代表する企業である比亜迪(BYD)、ドローンでシェア世界トップの大疆创新科技有限公司(DJI)などの現在世界を代表する企業の本社の数々が、この深センにあります。
世界の企業の時価総額ランキング(2019年04月時点)
ここで、昨今の世界中の企業の時価総額ランキング(2019年04月時点)を見てみましょう。
世界時価総額ランキング2019-World Stock Market Cap
https://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking/2019/04.htm
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この深センに拠点を置くテンセントは、約4,750億米ドルで、現在世界第8位です。
日本トップのトヨタ自動車がわずか1,800億米ドル程度、韓国トップのサムスン電子が約2,610億米ドルですので、日韓のトップ企業がで合体しても4,400億米ドルと歯が立たず、既に大きく後塵を拝しています。
また、世界第5位のフェイスブックが約5,520億ドルですので、米中でしのぎを削っていることが分かります。
テンセントは、Wechatを筆頭とした、ITを中心にしている企業です。世界の工場と言われていたように、ハードウェアのようなモノ作りだけではなく、ソフトウェアも創り出すことができるのが、昨今の深センのようです。
このような世界的な企業を生み出す風土のある「中国のシリコンバレー」、行ってみるしかありません(笑)
どうして突然、今のタイミングで深センに行くことにしたの?
実は、前述のような理由で、ずっと訪問の機会を密かに窺っておりました。今回、特に視察に至った決定的な理由は3つありました。
1.メイソウ(MINISO、名創良品)の恐怖を感じたこと
2.インドネシアの大統領選挙に伴う長期連休
3.中国南方航空の格安直行便
簡単に説明します。
MINISO, the most popular "Japan-ish" shop from China UNIQLOと無印良品とダイソーを足して割ったような中国の小売店 |
日本にずっといらっしゃる方には馴染みがないかもしれませんが、いま世界中で展開しているMINISOという中国の小売店があります。UNIQLOと無印良品、そしてダイソーを足して割ったようなお店です。日本に本社を置き、日本人のデザイナーを雇い、日本の製品と偽って販売しているうちに、規模がどんどん大きくなり、今や世界中どこにでもあるようです。
私が住んでいるインドネシアでも、どこにでもあります。日本人が寄り付かないような小さなモールの中でも必ずと言っていいほどあります。
2018年末に訪問したコーカサス地方のアゼルバイジャンの首都バクーでも、既に10店舗近く存在していました。
MINISOのウェブサイトを見たら、ヨルダンやペルーなどにも店舗がありました。想像を絶する爆発的な展開能力です。2019年05月現在、ダイソーや無印良品はまだ出店していない国です。つまり、今後、本物であるはずのダイソーや無印良品が、MINISOの二番煎じとして認識される国があるというわけです。
MINISO in Jakarta, Indonesia インドネシアのどこにでもあるMINISOのお店 |
こちらはインドネシアの首都ジャカルタのショッピングモール内にあるMINISOの店舗です。ダイソーや無印良品へのアクセスが難しくても、どこでも良い品が安く買えるので、ついつい手が出てしまいます。
食器(グラスやポット)、紙製品などは私も愛用してしまっています。
パクリから始まったと言えばその通りかもしれませんが、世界的に通用する高品質の物をリーズナブルに作ることのできる中国というのは、本当に強い国だと思います。
また、最近では、パンダ、シロクマ、クマを中心としたアニメのコンテンツも作り、キャラクターグッズも販売し始めています。先日インドネシアに来た日本人の大学生も、「可愛い!」と無邪気に喜びながらパンダを購入しているのを見ました。インドネシアでもこのMINISO、つまり中国のコンテンツと共に育つ子どもが出てきているので、末恐ろしいです。
Earphone by MINISO MINISOで購入したイヤフォン(残念ながら・・・優れモノ!!) |
そんな折ですが、つい先日、日本で購入したイヤフォン(約5,000円)をなくしてしまいました。語学学習などのために、イヤフォンがないと不便なので、とりあえず買おうと思いました。ただ、インドネシアでは高品質なもの、長持ちするものを手に入れるのが困難です。
ですので、とりあえずMINISOへ行って購入してみました(このように、「とりあえず行こう」、と思えるほどにMINISOが身近に存在しているのです)。価格は日本円で、わずか1,000円程度でした。
使ってみてビックリでした!音質が非常に良いのです!低音も強く響き、最高です(※既に2ヶ月近く使っておりますが、全く問題ありません)。
この瞬間に、
無印良品もダイソーも、もしかしたらUNIQLOでさえもMINISOに食われる!!
そして、
中国の巨大市場で資金を得た中国企業に、日本企業の勝ち目はないのではないか!!
とさえ思えてしまいました。
・・・中国に行かなければならない。行ってみようと思いました。
今まで香港にしか行ったことがありませんでしたが、もう食わず嫌いをしている場合ではなくなりました。
そして、中国と言っても広いです。北京、上海、四川や哈爾濱など、様々なところに行ってみたいと思っています。
ただ、前述の流れの通り、このタイミングで中国に行くなら、いま発展の著しい深センしかないと思いました。
そして、ちょうど思い立ってから約2週間後に、インドネシアで大統領選挙(2019年04月17日)などがあり、仕事が比較的休みやすい時期でした。
であれば・・・行くしかない!!
というわけで、わずか2週間ぐらい前でしたが、航空券を見てみると、現在住んでいるインドネシアの首都ジャカルタから、ジャカルタ―深センの直行便(中国南方航空)がなんとたったの28,000円ほどでした。
しかも、ジャカルタ深夜発―深セン早朝着、深セン夜発―ジャカルタ深夜着でしたので、深センにぎりぎりまでたっぷりといられます。
即買いでした(笑)
そしてここに、突然思い立った、KMGの深セン視察旅行が始まったのです。
Waiting for the flight (China Southern Airline) at Soekarno-Hatta International Terminal スカルノハッタ国際空港(ジャカルタ)の出発ロビーにて中国南方航空の飛行機を待つ |
続く。
Visit Shenzhen! 深セン視察(2019年04月)まとめ
https://omg-kmg.blogspot.com/2019/05/visit-shenzhen-201904.html