Saturday, June 1, 2019

Minimalist Living! バクーでロストバゲージしたミニマリストな3日間

Lost Baggage in Baku, Azerbaijan, and then...? 



Lost Baggage in Baku, Azerbaijan, and then...?
バクーでロストバゲージしたミニマリストな3日間

アゼルバイジャンの首都バクーに来ております。現在住んでいるインドネシアの首都ジャカルタから、遠路はるばる飛行機を2度乗り継いでやってきました。

そして、バクーの空港に着いてびっくり、私のスーツケースがありませんでした!

というわけで、スーツケースが戻ってくるまでの3日間の私の思考の流れを残してみます。


アゼルバイジャンのバクーへ!


実は今回で4度目の訪問です。毎回1週間以上滞在しているので、合計すると既に1ヶ月近くいることになります。「何故アゼルバイジャンにいるのか?」、「バクーで何をしているのか?」、ということは書き始めるとまた記事を10本ぐらい書くことになるので、それはさておき、今回、ロストバゲージしました(笑)

人生初のロストバゲージです!

ここ10年ぐらいは、年間20~30回ぐらいは飛行機に乗っているのではないかと思いますが(2019年も01月~05月までで恐らく11回飛行機に乗っています)、初のロストバゲージです!やっと大当たりです(笑)

実は今回、出発前に体調を崩してしまっていました。ひどい頭痛と下痢で、2年間勤めている現在の職場で初めて病欠するほどでした。上長の許可をもらって自宅勤務にしたおかげで、何とか持ち直しました。そして、予定通り、その翌日には出発をしましたが、やはり本調子ではありませんでした。その上、ジャカルタ(インドネシア)==>アブダビ(UAE)==>バーレーン==>バクー(アゼルバイジャン)と2度も乗り継ぐ長時間フライトでしたので、やはり体調は優れないままでした。

そんな体調の優れない中、「やっと着いた!」と思った矢先のロストバゲージ・・・(´・ω・`)

げんなりしましたが、空港で揉めても仕方ないので、必要な手続きだけさっさと済ませ、民泊サイトで予約していたアパートに向かいました。


4度目のバクー、やっぱり最高!


アパートのオーナーは非常に良い人で、親切に全て対応してくれ、ロストバゲージで困っている私にも、「部屋にあるものは全部使ってくれて構わないから、アゼルバイジャンを楽しんで行ってくれ!」と、応援してくれました。

部屋も快適で、本当に良いところです。


Apartment in Baku, Azerbaijan
バクーのアパート(2DK?1LDK?)

広いリビングです。 風通しが良く、大変涼しいです。


Apartment in Baku, Azerbaijan
バクーのアパート(2DK?1LDK?)

ベッドルームはこちらです。同じく風通しが良く、朝も日が差すので心地よく目覚められます。


とりあえず、胃を満たそう


調子が悪かったため、機内食もほとんど残してしまいました。そのため、まずは栄養補給と、スーパーマーケットに向かいました。


Foods and beverages bought in Baku, Azerbaijan
バクーで購入した食べ物と飲み物

そんなにがっつり食べる気力もなかったので、炭酸水、清涼飲料水、アイラン(塩辛いヨーグルトドリンク)、果物ジュース、 ヨーグルト、ソーセージを購入しました。


Tasty Yogurt in Baku, Azerbaijan
アゼルバイジャンの絶品ヨーグルト 

アゼルバイジャンに来たらやめられないものの一つに、乳製品があります。チーズ、バター、そして、ヨーグルトです。


Tasty Yogurt in Baku, Azerbaijan
アゼルバイジャンの絶品ヨーグルト 

このぷりぷり、もちもちなヨーグルトを食べていればすぐに元気になりそうです。
※実際、すぐに元気になりました。


Chai in Baku, Azerbaijan
アゼルバイジャンの絶品チャーイ

そして、中東・コーカサスのエリアはコーヒーよりも、紅茶が有名です。アパートのオーナーが置いていってくれた未開封の紅茶をアゼルバイジャンのチャーイ用のグラスに入れて、頂きました。



そして、胃が落ち着き、大好きなアゼルバイジャンに着いた興奮がひと段落したところで、冷静に何をするべきか考えてみました。


さて、まず何を持っているのか見てみよう


ロストバゲージして、スーツケースはなくなってしまいましたが、手荷物で持っていたカバンはありました。飛行機の中で、読書をしたり、手帳にメモをしたり、ラップトップでブログ記事の下書きをしたり、仕事や作業をする上では問題はありませんでした。

カバンをごそごそしていたら、想像していなかったものが出てきました。


Local products from Indonesia
インドネシアから持参した魔法の油「Minyak Kayu Putih」と蚊対策のベープ

「あれ?てか、これ、機内に持ち込めるんだっけ・・・?(´・ω・`)」

飲用水は途中のバーレーンで没収されたのに、インドネシア人以外には異臭のする液体としか思えない魔法の油(Minyak Kayu Putih)や、殺虫スプレーはそのままスルーだったなんて・・・。


Goods in my bag
カバンの中身

ジャン!予想通り、生活に必要なものは何もありませんでした。

さて、どうしましょう?


再度、買い物へ


さすがに、翌日には荷物も来るだろうから、何とか最小限の出費にして一晩ぐらいは耐えよう、と買ったのは以下の物だけでした。


Goods bought in Baku, Azerbaijan
購入したもの

ロシア語が分からないのですが、保湿クリーム(っぽいもの)と、髪に付けるジェル(というか、ポマード?)、それから歯ブラシです。

勢いだけで検討した結果、これだけでイケると踏みました。

(そして、実際3日間、全く問題ありませんでした!)


着替えは全然ありませんでした。しかし、さすがにロングフライトのあとなので、きれい好きな私は、また同じ服を身にまとうのが当然嫌でした。そこで、「えいや!」で全部脱いで、そのまま洗濯してしまいました。服が乾く翌朝までは、アパートにあったタオルだけを巻いて、引きこもり生活をしました。


My clothes
着てきた衣類一式


荷物を失って異国に来た、という経験


ロストバゲージとなった瞬間、正直戸惑いました。長時間の飛行で疲れていたり、体調がまだ完治していなかったりしたものあると思います。

しかし、ロストバゲージにより、荷物の大半を失い、その上で、冷静になって考えてみると、生きていくのに必要なものなど、ほとんどないのですね。

インドネシアはまだ経済発展の真っ只中にあり、物質的に豊かになることに憧れている人が周りにたくさんいます。そのためか、ついつい私自身も、様々な記念品を頂いたりして、荷物が増えてしまい、気が付いたら部屋に使わないものがたくさんあることに気が付きます。

しかし、こうやって最低限の荷物だけで異国の地にいても、困ることなど全然なかったのです(タオル一枚しか巻いていない男が何を言うか・・・)。

中々自分で何かを捨てるのは難しいのですけれども、いざ失ってみると、清々しささえありました。物質的な豊かさなんて、その程度のものなのでしょうね。


Hooray!! So, cool!!
日本やインドネシアでは馴染みのない種類の味がする美味しい清涼飲料水


行動が制限されることに強い抵抗があるという気付き


その後、何度か連絡はしてみるものの、空港から特段詳細の連絡もなく、行方不明になった私の荷物は出てこないままでした。

不安な気持ちや、悔しい気持ち、ないと言えば、それはもちろん嘘です。

しかし、当の私自身は、むしろこの状況を受け入れ、ミニマリスト的な生活を送ることに、強い心地よさを感じていました。


ただし、ないと困るものが3つありました。

  • 日焼け止めクリーム
  • 折り畳み傘
  • 髭用のトリマー(要はバリカン)

の3つです。

何故だと思いますか?


日焼け止めクリームと折り畳み傘は、ないとすぐに自分の行動が大きく制限されることに気が付きました。まるで、ゼルダの伝説みたいです。日焼け止めクリームがあれば太陽の下に出られますし、折り畳み傘があれば雨が降ってもどこへでも移動可能です。

また、私はいつもヒゲは剃らないで、刈っています。ですので、いつも髭用のトリマーを使っています。さすがにヒゲが1週間以上伸びたままになると人前に出にくくなるので、これまた行動が制限されることに気が付きました。

ロストバゲージで荷物を失い(約26kgありました)、ないと本当に困るものは、実はたったこの3つだけだったのです。

そして、この3つに共通する特徴は、それがないと行動が制限されてしまう、ということでした。

こうやって失ってみると、自分のことが改めてよく分かりますね(笑)


3日経って、やっと荷物が空港に届いた


なお、その紛失した私のスーツケースはどうなったかと言うと、つい今朝、空港から連絡があり、無事回収できました。

今回はホテル宿泊ではなく、民泊でアパートに泊まっていたので、送ってもらうと受け取りが非常に不安です。配達員はきっと英語でコミュニケーションもできないでしょうし、いつ届くのかも全然分かりません。こういう時にホテルは有り難いのですね。

そのため、往復3時間弱かけて空港まで自分で回収に行きました。


Airport Shuttle in Baku, Azerbaijan
空港までのシャトルバス

空いていれば、中央駅から片道30分ほど、料金はわずか100円ほど(1.3マナト)です。

回収した自分のスーツケースを改めて開けてみました。


Finally, my baggage came back to me!!
戻ってきた私のスーツケース(26kg)

自分用の着替えや洗面用具もありますが、ほとんどがお土産です(笑)


物質的な豊かさというのは、人間の幸せにどういう影響を与えるのだろうか、と改めて深く考えるきっかけとなりました。というか、かなり深く考えていました。

私たちには、金融資産、人的資本、社会資本の3つの基本的な資産・資本があります。物質的な豊かさというのは金融資産であり、場合によっては社会資本を構築する要素の一部なのだと思いました。これはまた書き始めると長くなるので控えますが、物質的な豊かさに関しては、何もかもが不要というわけではないということは分かっていました。ただ、必要なものと不要なものの線引きが今までは全然見えずにいました。今回の経験からそれが見えてきた気がします。

私は、ミニマリストになりたいわけでも、断捨離をしたいわけでもありません。しかし、どのようにしてスマートに生きていくのかについては、しっかりと自分なりの知見を明確にしておきたいと常々考えております。今回は、ロストバゲージという、自分の中で前代未聞の出来事でしたが、非常に良い経験になりました。