Sunday, June 2, 2019

Visit Tehran, Iran! テヘラン視察(2017年07月)

Visit Tehran, Iran! (July, 2017)



Visit Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン視察(2017年07月)

2017年07月の視察・訪問の記録ですが、最近、ニュースでイラン情勢が再度盛り上がり始めているので、今更ながらに書いてみます。

結論から言いますと、イランは、メディアから見える様子とは全く違った、親日で、素朴で、紳士的で優しい人たちにあふれた、とても安全で良い国でした。イランのように今後中東の覇権を取っていく可能性の高い産油国(しかも、親日!)との関係は、日本の国益を考えたときにも非常に重要だと思います。日本とイランの両国の関係が、益々良くなっていくことを切に祈ります。


イランを訪問した動機


Rose! Tehran, Iran (July, 2017)
国花のバラ、イランの首都テヘラン(2017年07月)

イラン訪問に至った理由は大きく四つあります。

  • アメリカ、中国、ロシアという大国の力関係の変化と、エネルギー価格の推移から中東諸国が昨今非常に面白い状況になっていること
  • 中東諸国の中でも、トルコおよびイランが覇権を取るべく勢力を増しているように見えること
  • ネット制限、クレジットカードなどの使用制限などもあり、イランへ訪問した知人が少なく、生の情報がはっきりと分かりにくかったこと(そして、優しそうな人であふれているように見えたこと)
  • インドネシアに5年ほど住んでおり、イスラム教に対して親和性が増していたこと

詳細は長くなりますが、簡単に書きますと以上の通りです。


バックパックでイランの首都テヘランに4泊5日


イランへの視察は最高でした!なぜなら、久しぶりにバックパックの楽しさを感じられたからです!理由は以下の通りです。

  • クレジットカードや国際キャッシュカードが使えないので、必要なお金は全てキャッシュで持っていく必要がある
  • 専門業者を使わない限りは、ホテルの予約がインターネットなどでできない(AgodaやBooking.comなどは使えない)ので、現地で自力で宿探しをする必要がある
  • ネットに制限があるので、イラン国内ではVPNを使うなどしないと情報が得にくい
  • 旅行者が少ないので、イラン渡航の情報が限定的

インターネットが普及する前に、タイやエジプトへバックパックをした経験があって良かったと思いました(笑)

今回はキャッシュとして500米ドルを持っていきました。そしてギリギリで、足りました。最終的に、残金は10米ドルを切っていました。最後に、市街地から空港までタクシーに乗るときに、料金が予定よりも高かったらどうやって逃げ切ろうとドキドキしていました。

当初はもう少し持って行こうかとも思ったのですが、日本でも現金で5万円を持ち歩くのは嫌なのに、行ったこともない海外の国でそれ以上の大金を持ち歩くことに強い抵抗感を覚えたことが理由です。しかし、危なかったです。思った以上にお金を使ってしまいました。


イランの首都テヘランへの行き方、移動、宿探し


東京の羽田空港からAir Asiaに乗って、クアラルンプール経由でテヘランまで参りました。クアラルンプールでのトランジットが13時間ほどあり、飛行機も二度に分けて合計16時間ほど乗ったので、結構ハードな行程でした。(貧乏旅行万歳!)

しかも、羽田空港を飛ぶのが深夜、テヘランに着くのも現地時間で深夜と滅茶苦茶でした。飛行機に乗っている時間も長かったので、着いた頃にはかなり体力が奪われていました。

さらに、そのような状況で、深夜11時過ぎにテヘランに到着してから、到着ビザの申請をしなければなりませんでした。審査が非常に厳しく、結局入国できたときには深夜2時30分を過ぎていました。へとへとでした。

しかし、宿の予約はしていませんし、不慣れな国で、深夜に活動するのは当然ながら得策ではありません。そのため、午前6時ごろの日の出まで空港で寝ずに待機し、タクシーで最寄りの地下鉄の駅まで移動し、そこから地下鉄でバックパッカー向けの宿泊施設があるエリアに向かいました。空港から市街地のアクセスはバスなどがないため、どうしてもタクシーに頼らないといけないみたいでした。


Hostel, Tehran, Iran (July, 2017)
滞在したホステル、イランの首都テヘラン(2017年07月)

無事にホステルにチェックインし、シャワーを浴びて、昼寝をして(疲労の限界)、体力を戻します。


イランの首都テヘランはホスピタリティ全開の安全で親日な街だった


イランと聞くと、隣国にイラクやアフガニスタンがあることなどから、どうにも危険なイメージが付きまとってしまいます。しかし、屈強なペルシャ軍は、イラクやアフガニスタンなどに負けたりはしないので、街の中は安全そのものでした。全く危険な気配がしませんでした。


Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)

スタンドで買い食いをするのは、どこへ行っても同じです。こうしてお金が尽きていくことに、始めは全く危機感を覚えませんでした。


Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)

グランドバザールです。延々とマーケットが続きます。


Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)

グランドバザール内の給水所です。砂漠では水が宝です。そのように貴重な水がどこでも振舞われているので、乾燥のひどいイランでも、かろうじて生きていくことができました。そして、このお兄さんたち、本当に親切で人懐っこくて最高でした!誰一人として英語は話せませんでしたが、みんな本当に優しくしてくれました。一通り騒ぎながら、ここだけで1リットル以上水を頂戴した気がします。


Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)

セルフィ―(笑)

ここに限らず、テヘランでは、どこへ行っても、 お茶目で魅力的な人ばかりでした。


Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)

買い食いが止まりません。しかし、イランは一人分の量が著しく多かったです。このケバブサンドも顔のサイズほどはありました。美味しいのですが、量が三分の一ぐらいで十分でした。


Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)

どこへ行っても優しいイランのお兄さんたちです。「日本から来た。」というと、一層優しくしてくれました。

テヘランでは英語がほとんど通じませんでした。しかし、コミュニケーションで困ることは全然ありませんでした。言葉は分からなくても、ホスピタリティに溢れていて、困っていたら必ずだれか助けてくれるからです。本当に、なんと優しい方々なのだろうと、街へ繰り出してすぐにイラン人の優しさに惚れ込みました。

それから、地下鉄で移動することが多かったのですが、5日間の滞在中に3回も、日本語で話しかけられました。昔、日本に行って、出稼ぎをしてきたという方たちでした。

昔、日本がビザを出してくれたおかげで、今の生活がある。何か困ったことがあったら言ってくれ。今度は私が日本人を助ける!

というような胸が熱くなるようなことを言ってくれ、異国の地で目が潤んでしまっていました。


日本にいると、

「日本はもうだめだ・・・。」

「これから日本はどんどん貧しい国になっていく・・・。」

というような声が聞こえることはあります。しかし、日本の底力は私たちが日本で通常感じるものだけではないのだと思いました。こんなにも遠く、物理的に離れているイランという異国の地で、縁もゆかりもない日本人である私に対して優しくしてくれる人がいるということ自体、普通では有り得ない、本当に有り難いことです。

こういった日本のブランド力も含めた力が残っているうちに、私たちは世界へ飛び出し、様々な人たちと深い友好関係、そして経済的なつながりを作っていかなければならないと改めて思いました。


イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ


テヘランはおしゃれなカフェが街中にありました。見かけるたびに休憩と称して、寄ってしまっていました。そして、手持ちの限りあるキャッシュが目に見えて減っていき、危機感を覚えるようになっていきました(笑)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
ローズアイス、イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

このおしゃれな雰囲気のカフェで、ローズアイスを頂きました。イランはバラが国花だそうです。ローズウォーターやローズティー、ローズオイルなど様々なものがありました。

乾燥のひどい酷暑の中、冷たいローズウォーターを飲んで潤された時の爽快感は今でも忘れられません!


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

男女カップルで来ている人も多く、かなり意外に思いました。こういうのは実際に自分の目で見てみないと本当に分かりません。


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

この花の紅茶、大変美味しく頂いていたのですが、如何せん花の紅茶が詰まっていて飲みにくいと思っていました。そして、このまま飲んでいたら、店員のお姉さんに笑われました。


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

何と、茶器の上の部分が取れるようになっていたのです!飲みにくいと思っていたら、こういう仕掛けがあったのですね。さすが、お茶の国です(私が知らないだけ・・・苦笑)。


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

「入ってくれ!」と言わんばかりの、素敵な雰囲気のカフェの入り口です。


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

階段を上るとそこには広いカフェがありました。


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

これで1,200円ぐらいしました。そう、テヘランはかなり物価が高い印象でした。ケバブサンドなどの屋台系の料理は200~300円ほどで、大量に頂けるので割安に感じられるのですが、カフェやレストランに入ると、1,000円はすぐに飛んでいきました。


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

でも、美味しかったので、やめられません!手持ちの現金がなくなっていっても、もう気にしません(笑)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

ここもおしゃれですね。


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

少しアンティーク感が漂う、素敵なカフェでした。

テヘラン滞在中、歩いてはカフェ、歩いてはカフェという感じでしたが、本当にカフェが充実していて幸せでした。

また、通常FacebookやCouch Surfingなどを見ることはできないのですが、カフェによってはWi-Fiを使って見られるところもありました。


イランの首都テヘランのスタートアップグループと座談会


ひょんなことから、スタートアップに携わっているイラン最高峰の工学系の大学の卒業生たちの同窓会があるというので混ぜていただきました。彼らは皆、英語が堪能で、イラン滞在中に分からなかったこと、不思議に思ったこと、湧き出てきた素朴な疑問など、かなりいろいろなことについて伺うことができました。

また、2017年現在、テヘランではスタートアップが相当盛り上がっているようでした。様々な話を聞くことができました。その中でも特に面白かったのが、フードビジネスです。

細かいところは端折りますが、端的に言うと、「まだ、イランは外食産業がほとんどないため、外食産業を持ってくれば、それだけで相当お金になる。実際に、始めている人もいる。」という話でした。

どなたか、もしご興味ある方がいらっしゃったら、ちょっとお好み焼きでも作りに行きませんか。一般的なレストランでブリヤニ(現地のバターライス?フライドライス?)を食べて、1,500円ぐらい払うことを考えると、お好み焼きも特大サイズを一枚焼いて1,000円ぐらいは全然取っても問題ないと思います。この2年ぐらいの間、結構本気で考えています。


Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)


Cafe in Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘランのおしゃれなカフェ(2017年07月)

このような素敵なカフェで、深夜2時ぐらいまで語り合っていました。

帰り際に、この同窓会のグループの中に、アメリカに留学してちょうど帰国中だったイラン人の方がいて、彼が以下のように言いました。

「カマガ、お前は、イランを危ないと思うか?アメリカにいると、『イランは危ない。』、『アメリカに来られて良かったな。』といつも言われるんだ。でもな、俺のいるそのアメリカの街は、夜8時にもなったら、外に一人で出るのも危ないぐらい、治安が悪いんだ。カマガ、お前はどう思う?俺たちはいま、どこで何をしている?深夜のこんな時間に、何の不安もなく、カフェで話しているだろう?これを皮肉と言わず、何と言えばいい?」

説得力がありました。

この話を聞いてから、帰る途中にも、深夜なのに車が道路に普通に駐車されているのを見ました。また、驚いたのは、窓が開けっぱなしのまま一般道に駐車してある車もあったことです。

テヘランが安全なことを再度確信しました。

私も、こうして自分の足でイランに来るまでは、イランのことなんて全然分かりませんでした。こうやって、自分で経験してみないと分からないことはたくさんあります。


イランは間違いなく好きな国の一つ



Tehran, Iran (July, 2017)
イランの首都テヘラン(2017年07月)

世界中、様々な国の様々な都市を訪問していますが、実際に行ったからといって必ずしもその都市を好きになるわけではありません。嫌いになるということはさすがにありませんが、私は非常にややこしく面倒くさい人間ですので(笑)、何かを好きになるというのは、それほど簡単ではなく、そうそうありません。

そのような中でも、このテヘランという街は、ホスピタリティに溢れているとても優しい街だと感じ、私は好きになりました。


現在、インドネシアに住んでいますが、日本に帰ったらほぼ必ずイラン料理を食べに行っています。イラン料理というと想像しにくいかもしれませんが、非常にマイルドで食べやすい味です。ハーブの強い香りも、辛さもほとんどありません。慣れないと、味は独特なので得手不得手はあるかもしれませんが、慣れてしまうと食べやすくて、もう止まりません。また、ハラール料理なので、イスラム教の友人も連れて行けるのも、私にとっては非常に便利な点です。

イランに行ってから、イランへの興味は高まるばかりです。イラン情勢が今後もっともっと良くなっていくことを、陰ながら願っております。