Visit Kiev, Ukraine! (August 2017)
Visit Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ視察(2017年08月) |
2017年08月に、10泊11日で東欧で旧ソ連でもあるウクライナを訪問しました。イランから始まり、アゼルバイジャン、ジョージアという流れで、 ウクライナにやってきました。
ちょうど仕事を辞め、新しい仕事が始まるまでの合間で、かつ、ちょうど35歳の誕生日を迎えるときでしたので、北の避暑地でゆったりと静養をしながら、自分の人生を見つめ直すことが目的でした。
このウクライナ滞在中にSkypeで現在勤務しているBINUS大学との最初の面接(学部長面接)や模擬授業があり、刺激的な日々でもありました(笑)
ウクライナを訪問した動機
今回の訪問で、イランとアゼルバイジャン、UAE(ドバイ、アブダビ)に行くことを最初に決めました。それから、バックパッカーの聖地としても有名で気になっていたジョージアに行くことに決めました。その後、ウクライナに行こうか、カザフスタンに行こうかで、かなり迷いましたが、結果的には、ウクライナに決めました。その理由は簡単には以下の通りです。
- イランやアゼルバイジャンの面白さを考える上で、EUへのエネルギー供給を総合的に見る必要があり、クリミア半島の問題に代表される、ロシアからウクライナを経由したエネルギー供給の問題が気になっており、ウクライナの雰囲気を肌で感じたかったこと
- 旧ソ連の中でもGUAM(ジョージア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドヴァ)と呼ばれる、ソ連に対して中立あるいはやや距離を取る国々をまとめて回ってみたかったこと(モルドヴァは行きませんでした)
- 日本から遠い国にも関わらず、キエフ工科大学内にウクライナ日本センターと呼ばれる施設があるほどに、日本語学習熱が強いことで有名で、その雰囲気を見てみたかったこと
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ウクライナのスーパーマーケットなどで売られている、熱いエナジードリンクです。これを見た瞬間に、そのウクライナっぽさに熱くなりました(笑)
バックパックでウクライナに10泊11日(キエフ&リヴィウ)
ジョージアの首都トビリシから飛行機で、ウクライナの首都キエフにやって参りました。
宿泊は、いつもと同じように、旅行者とホストのマッチングサービスであるカウチサーフィン(Couch Surfing)を利用しました。
今回は、首都キエフの掲示板に、「キエフに行くので、どなたか時間がある人はハングアウトしませんか?」のようなメッセージと自分のプロフィールなどを書いておきました。そうしたら、ウクライナ渡航直前に、一つ年上の女性から、「ご飯でも行きましょう。それから、私の家を自由に使っていいわよ。」とお誘いがあったので、ご厚意に甘えて、お邪魔しました。結局、キエフ滞在中は、ずっとこの方のところにお世話になりました。
彼女は、日本にはまだ来ていませんが、スリランカやベトナムといったアジアの国々にも訪問したようで、現在でも交流があります。
キエフ滞在中は、ほとんど予定も約束もなかったので、ホストの彼女の勧めるままに、街をブラブラしながら、ウクライナの人々の動向を見てみました。
以前も書きましたが、経済情報は、インターネット上でデータを見ることで、ある程度推察することもできるのですが、実際にその国へ繰り出し、人とコミュニケーションを取ったり、スーパーで買い物をしたりして、生々しい生活感を見ることでしか、本当の意味での物価感、生産性、景況感、発展の伸びしろなどは分からないのはないかと思っています。ですので、こういう何気ない実地調査を欠かさないようにしています。
ウクライナの首都キエフをぶらぶら
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
新興国の大学を巡るアカデミックバックパッカーの私としては、 どこへ行っても、トップ大学を訪問することを欠かしません。
ここウクライナの首都キエフには、最高学府と呼ばれる国立キエフ大学があります。日本の東京大学と言えば、赤門が有名ですが、ここキエフ大学では、この独特の赤い校舎が目を引きます。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
街中にはたくさんコーヒースタンドがあります。コーヒーは一杯70~100円程度でしたので、何度となく買ってしまいました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
スタンドには様々な形があり、とても可愛らしくユニークなものもありました。これはエスカルゴのスタンドですね。色もピンクで可愛いです。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
1000年ほど前のキエフの市街地への入り口だった大きな構造物です。黄金の門と呼ばれていました。
中学校の音楽でも習った「展覧会の絵」とも関係のある、ムソルグスキーの「キエフの大門」の舞台だそうです。エネルギー事情や最近の政治・経済のニュースを見ることでいっぱいで、歴史や文化などについては事前学習ほぼゼロでウクライナまで行ってしまいましたが、「至る所に歴史がありふれているのがヨーロッパだった!」と、ここに来てから、一気にテンションが上がりました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
角度を変えてみると、ハウルの動く城のようでした(笑)
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
とりあえず、欠かさずに写真撮影(笑)
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
世界遺産のソフィア聖堂です。
ジョージアに来てからというものの、突然世界がキリスト教に変化していったので、また面白かったです。
この時は夏でしたが、冬、特にクリスマスのシーズンに来ると、また雰囲気が違うようで、ぜひまた行ってみたいと思いました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ソフィア聖堂の入り口の塔から見渡した街の景色です。別料金でしたが、「何とかと煙は高いところが好き」と言いますし、高いところに行けるとなるとつい財布が緩くなる性分です。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
独立広場に向かって歩いている途中です。キエフの街並みは本当にきれいで、真夏(8月中旬)でしたが、さほど暑くもなく、心地良かったです。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
独立広場です。
昨今でもいろいろなニュースになる場所です。日本は島国ですから、これまでは独立を保ちやすかったのですが、EUとロシアに挟まれるウクライナでは、独立というものの尊さを身に染みて感じました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
たくさん歩いていましたが、それ以上に食べ続けているので、顔が丸くなってきました(笑)
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
高い空に、広い歩道、 最高ですね!
ウクライナの首都キエフのカフェ
キエフにも素敵なカフェが点在していました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
Google Mapsと自らの足・直感を頼りにカフェ巡りをしました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
可愛らしい内装です。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
キエフのカフェは、とてもリーズナブルに感じました。これで100円台だったと思います。サービスの質、飲み物の質、店内の雰囲気などを踏まえると、3倍ぐらい払ってもおかしくないと感じました。どこへ行っても、大体同じ印象でした。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
カフェセンサーが反応します(笑)
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
このカフェで、ラップトップを開いて作業をしていたら、近くに座って勉強していたウクライナ人の女子大生が、「どこから来たの?」と話しかけてくれました。英語も話せたので、小一時間いろいろ話をしてみました。
その中で、「私はアジアの国々が好きよ。」と、延々と話してくれたのが興味深かったです。私のカウチサーフィンのホストもそうだったのですが、EUの国々に対しても、ロシアに対しても、疲れている印象でした。そして、ウクライナ滞在中に、「EUとロシアが直接接しないための緩衝材がウクライナなんだ。」という話を何度も伺いました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
キエフの街並みはとても美しいのですが、落書きが多いのが残念でした。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ウクライナも、何を食べても美味しい国でした。ヘルシー度が高かった気がします。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
アゼルバイジャンでも来た、リヴィウ・ハンドメイド・チョコレートのお店です。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
はっきりと覚えていませんが、これで400~500円ほどだったと思います。とてもリーズナブルに、美味しく食事をいただけました。そして、私は肥えていきました(笑)
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
街中にたくさん素敵なカフェがありました!
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ここもインテリアが可愛らしいですね。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ウクライナは小物のデザインが可愛く、スーツケースが大きかったら、いろいろ買って帰った気がします。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
何を頂いても、美味しかったです!
坂だらけのウクライナの首都キエフ
街はとてもきれいなのですが、街の中は丘が多く、基本坂道ばかりでした。平坦な道を歩くことがほとんどなかった印象です。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
本来とてもきれいな街並みなのに、こうやって落書きが多いのが残念でした。
なお、クリミア半島での問題もあり、キエフに流れ込んでいる人が増えた影響があり、最近のキエフは治安があまり良くないという事前情報をインターネット上で見かけました。しかし、少なくとも私は、街を歩いていて危険を感じたことは全くなかったです。酔っ払って路上で寝ている人もいるほどでした(夏だったので凍死などはしていなかったのだと信じたいです・・・笑)。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ヨーロッパ的ですね。素敵な景色です。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ウクライナは音楽の国でした。
街中どこへ行っても、音楽を演奏している人がいました。それだけでなく、その演奏のレベルが著しく高いのです。何度となく、立ち止まって聞き入ってしまいました。これだけレベルが高いと、喜んで投げ銭を入れてしまいます。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
街の中には立派な建物もたくさんありました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
夜の独立広場です。若者たちが集い、とても楽しそうに話していました。
ウクライナ・日本センター(キエフ工科大学内)
アカデミックバックパッカーの活動の一環です(笑)
キエフ工科大学のキャンパス内にあるウクライナ・日本センターを訪問しました。国際交流基金から派遣されている日本語専門家の方に話を伺い、ウクライナの日本語教育事情について詳しく伺いました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
キエフ工科大学のキャンパスです。とても広く、素敵なキャンパスでした。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
建物の雰囲気がまた最高でした!
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
建物一つ一つの内部まで見てみたかったのですが、ごく一部の建物を除いて、監視の目も厳しく、英語も通じず、さすがに難しかったです。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
近代的な建物もありました。広大なキャンパスでした。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ウクライナ・日本センターの看板を見つけました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
ウクライナ・日本センターにたどり着きました。
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
許可をもらって撮影しました。日本語の図書が多数置いてある図書館もありました。日本から遠く離れたウクライナに、これだけ日本語の図書がたくさんあることに本当に驚きました!
ウクライナでは、日本語学習がブームとは言わないまでも、流行っているようでした。ただ、ウクライナに進出している日本企業はまだまだ限定的で、日本語をたくさん勉強してもらっても、それが仕事につながらないことが悩みだという話を伺いました。
私が現在住んでいるインドネシアでは、日系企業が2,000社ほど進出しています。もちろん誰でもとは言えませんが、日本語がある程度できれば、そのまま仕事が見つかる環境があります。ウクライナの日本語教育事情を考える上で、日本の企業の進出、日本との経済的なより深いつながり、こういったものも考えていかなければならないのだと、改めて考えるきっかけとなりました。
日本の存在感を世界で示していくためには、言語・文化の交流もとても大切ですし、ODA投資なども必要なことだと思います。しかし、それ以上に、日本人が世界中に飛び出し、いろいろなところで仕事を創るということもまた大切なことなのだと、深く思いました。
日本人でウクライナ語ができる人はどれぐらいいるのでしょうか。私自身、何の縁もなく訪問したウクライナの、わずか10日間ほどの滞在で、日本語で話す機会が数多くあったことに感動しました。
こういう日本の先輩たちが築いてきた日本の信頼、日本のブランド、私たち日本の若者に与えられたチャンスをものにしていかないと、日本に未来はないのかな、と強く思っています。
2017年に訪問するまで、日本とウクライナはとても離れていて、全く縁がないように思っていました。しかし、実はそのようなことはなく、日本とウクライナは今後もっと仲良くしていかなければならないのではないかと感じることがさらに2点ありました。
大国間の緩衝材としての日本とウクライナ
EUもロシアも、直接大々的に接したくないのだと思います。そのような背景において、ウクライナという十分に国土の広い国が、EUとロシアの間にあることによって、この両者にとって安心感をもたらす緩衝材のような機能が得られると思います。このため、ウクライナは政治的にも、親EU派に寄ったり、親ロシア派に寄ったり、揺れ動いているように見えます。
EUにとっても、ロシアにとっても、ウクライナがはっきりとどちらの側に付くこともなく、現状のように混迷状態が続いていくことが一番の利益になっているのかもしれません。EUにも、ロシアにも、都合の良いように利用されているということが緩衝材としての本質なのかもしれません。
翻って日本はどうでしょうか?
日本も実は、いま世界を代表する2つの経済大国に挟まれています。アメリカと中国です。もちろん日本とアメリカ、日本と中国の間には海がありますから、直接接しているわけではありません。その分、陸続きのウクライナに比べると状況は安定しやすいと思います。
ただ、日本の米軍基地に対して中国がいつも感度を高くしていることでも分かるように、日本というのは、アメリカと中国の間の緩衝材としての機能も果たしているのではないかと、今回のウクライナ訪問で、初めて気が付きました。
アメリカから中国を見たとき、そして中国からアメリカを見たときに、間に日本という国があるのは、緩衝材以外の何者でもないように思います。アメリカと中国が隣接していたら、もっと過激な世界になっているのかもしれません。
日本が現状ではまだ十分に強い国であるため、アメリカおよび中国から日本を見たときには、日本は無下にできない存在だと思います。しかし、今後アメリカと中国が発展を続ける一方で、もしも日本の経済が衰退の一途を辿っていったときには、一体どうなっていくのでしょうか。
こういったとを考えると、ウクライナの事情から、私たち日本人が学ぶことはたくさんあるのではないかと感じました。
大国間の緩衝材同士ともいえる、日本とウクライナ、仲良くしていくのに十分な理由ではないでしょうか?ウクライナの事情を見て、様々なことを学んでいく必要があると、私には思えてなりません。
緊密な外交関係:日本とウクライナ
ウクライナがソ連から独立を果たしたのが1991年08月24日です。
そして、それからわずか4ヶ月後の1991年12月28日に日本国政府はウクライナを国家として承認しました。
続いて、1992年01月26日には、日本とウクライナの間で国交が樹立されました。
これに基づいて、私がちょうど訪問した2017年は国交樹立から25周年ということで、大統領令で「2017年はウクライナにおける日本年」として位置付けられ、ウクライナ各地で様々な日本文化行事が催されたそうです。
インターネットで、「ウクライナ 日本年」と検索をすると、様々な情報が見られます。
国を挙げて、大統領直々に「ウクライナにおける日本年」というものが記念されるということは、二国関係(少なくとも政府間)が如何に良好なのかが分かります。
こうした良好な二国間関係の中で、私たち一般の日本人ができることもたくさんあるのではないかと、個人的には思います。
実際にウクライナを訪問し、言語での意思疎通が全然上手くできていなくても、私が日本人であるということが分かった段階で、損をしたことは一切ありませんでした。それどころか、とても丁重に、そして思いやりを持って接してくれ、いつも本当に有り難い気持ちでいっぱいでした。
日本で見られるウクライナのニュースというと、クリミア半島の問題ばかりです。しかし、実際にはウクライナは決して危険な国ではありませんでしたし、人は優しく、そして親日だと感じられる国でした。
日本とウクライナの二国間の関係も考えていきたい
Kiev, Ukraine (August 2017) ウクライナの首都キエフ(2017年08月) |
キエフの街中で見かけたアダルトグッズショップですが、まさにNO TABOOです!
私たち、日本とウクライナの関係は、もっとお互いが創造的になれば、もっと深化させられるのではないかと思いました。お互いがあまり英語も話せない国ですが、歩み寄ることはいくらでもできると思います。
2017年、ウクライナ訪問は、正直どうしようか迷いました。しかし、後になってみれば、これだけ様々な刺激を得られたので、行ってみて良かったとしか思えません。私に良くしてくださったウクライナの皆さまには本当に感謝しかありません。